同性愛とアボリジニ


先日のQueer Festivalは映画祭なので、多少の出費が否めないのだけれども、我らがパワーハウスの全てが有料のイベントであるワケがない!

相変わらず、フリーイベントがお得意で留学生やワーホリメーカーさんに優しいパワーハウスでは、今回もイベントを用意しているが、注目したいのが、メルボルンを拠点とする写真家のBindi Cole氏(ビンディ・コール)のドキュメンタリー写真展、"Sistagirls" (シスタガールズ)である。

オーストラリアの北部にある州、ノーザンテリトリーの州都Darwin(ダーウィン)は、オーストラリアを旅する人なら、必ず耳にした事のあるだろう、オーストラリアの中でも、原始のままのオーストラリアを感じさせてくれる、人気スポットだ。

このダーウィンから飛行機で約30分の距離にある、Tiwi Islands(ティウィ アイランズ)は、タスマニアを除いて、最も大きな島のMelville島Buthurst島から成る諸島でである。


Bindiの写真展は、この人口約2500人の90%がアボリジニである、ティウィ諸島へ訪れた時に見た、まさに西洋のドラッグクイーンのような格好をしたアボリジニを発見、興味を持ち、そのまま取材を続ける事になり、5週間も密着していたそうだ。

"Sistagils"はアボリジニのTrans gender(トランスジェンダー/性不一致)のグループで、現在約50人にもなる。

撮影と西洋社会のメディアへの公開を2週間に渡って、原住民のアボリジニと交渉を続け、撮影から歴史、彼女達の抱える問題などが、Bindiによって明らかになったSistagirlsの存在は、オーストラリアだけでなく、アボリジニ(原住民)とヨーロッパ人(侵略者)における支配によって生まれた、全く新しい文化として、新たな問題を浮き彫りにした。

1800年代に、西洋人の上陸と侵略を受けた、ティウィ諸島は、1900年前半にキリスト教の布教と教会建設が続き、キリスト教色の濃い地域でもあり、この原住民とキリスト教、欧米文化が、まるでアメリカのドラッグクイーンと似たような文化を生みだした。

シスタガールズにはルールがある。西洋文化で見る、ゲイコミュニティとは少し異なるものとして、考えても良いと思う。
彼女達は、性別としては男であるが、普段から女性の格好をしており、教会にも行く。シスタガールズはシスタガールズ同士で寝る(性交渉)を持つ事はなく、彼女達の恋愛対象は一般の"男性"である。

しかし、その影にはまだまだ新しい文化、そして保守派にとっては受け入れがたい、ゲイ文化であるが故に、辛い思いや表に出て話す事すら出来ない事もある。アボリジニといえども、元来から存在していたと言われる、アボリジニの同性愛者は西洋人から興味の対象となる事により、新たな一面を迎えようとしているのだ。

ちょうど日本が今後、原発や電力とどのように向き合うのか?と同じように。

Queer Festivalでは、Bindiが製作したSistagilrsのBig Mamaと呼ばれる、Crystal Loveが現状を伝える、ドキュメンタリー映画の上映もあるので、興味がある人は、是非、足を運んでみてほしい。

4/16(Sat) 12:00~ 上映時間60分 $16(一般)
SISTAGIRL

今、目の前に見えているものだけが、全てはないし、まだまだ表に出ていないモノはたくさんある。

それは、遠く離れた異国の島で生まれた、シスタガールズの存在だったり、未だに孤立している地震の避難所や被災で崩れた倉庫から、ぼろぼろになったカップ麺を持ち逃げ去る子供達だったり、原発周辺の未知なる現状かもしれないけれども、この転機をチャンスとして生かすも殺すも。興味を寄せるも寄せないも、わたし達次第だなぁ、と強く感じる今日この頃なのだ。



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