西洋・寄付・タイガーマスク


現在のところ、甚大な被害が出た様子はないサイクロンヤシだが、水害が終わった訳ではない、満潮も近づいてくるので、まだまだ、油断せずに皆さん十分に注意して下さいね。

タイガーマスクなんて言われても、外国にいたら、さっぱり入ってこない情報だし、なんの事やら訳がわからない人も多いと思うけど、日本ではタイガーマスク現象なるものが発生しているようだ。

これが連日、日本のマスメディアでとりあげられ寄付というものが、なんなのか?『寄付』について、そもそも論が談義されている事は少しウレシイ兆候だ。

寄付の話を深めていくと、もともと寄付文化は西洋文化であり、日本にはなかなか根付きにくいもの、と日本のマスメディアに紹介されていると同時に、若者達の寄付をテーマとした活動は活発かしているとも言われている今日この頃だけど、タイガーマスクで伊達直人ってピンってくる時代から『寄付運動の人』に代わる世代が来る日も間近じゃないでしょうか??

さて、タイガーマスク運動をざっくばらんに話すと、タイガーマスクのマスクを名乗る何者かが寄付行為を行う、という突如発生した活動で、それを習って多くの人が同じように寄付をはじめた。これは、匿名でモノを送り続けるということで、善意の輪が広がったといって、大きく話題になったが、これは一過性のものだと考えられていたらしい。しかし、その善意の輪が広がり、寄付の量は続き、増えていく。そして厚生労働省まで突き動かし、児童擁護施設への予算をあげ、人員増員をはかるそうだ。

厚生労働省の言い分では、タイガーマスク運動が始まる前から、増員を検討していたので、タイガーマスク運動が原因ではないということを主張しているけど、【ザ・余計な一言】だった(笑)。 そんな事、言わなければいいものの、わざわざ言うから嫌われ者になるんだろう。世論は国を動かせないぞ。とでも言いたいのだろうか?ワケガワカラナイ。

ともあれ、この寄付が寄付に慣れていない、日本人達にとって、突如として寄付が何か?と考えさせられる事になった。

日本人にとって、この運動の良いところは、匿名でモノを寄付できるというところだったようで、タイガーマスク運動いわゆる[匿名による寄付金活動]というものが、ジャパンの善意の人たちのハートをつかんだようだ。

しかし、寄付を受け取る事に慣れていない、ジャパニーズとしては、顔を見せてほしいとか、安全性の問題とか、必要ないものが送られてくるので処分に困るだとか、色々問題は発生しているようだ。問題というか、ようするに寄付に慣れていないので、対処の方法が頭のマニュアルにのっていないと言ったほうがしっくりと来る。

ひとつの懸念としては、施設の子供達にとっては、必要のないものが送られてくるばかりで、解決方法になっていない。という事。施設にいれば、着るものもあるし、食べるものもある。お小遣いももらえるので、賞味期限が切れる直前のお菓子が大量に贈られてきても、必要ない。むしろ、さげすまれているような気がしてイヤであるというもの。そして、その寄付に慣れてしまうと、寄付金や寄付のものは当たり前のものになってしまうので、感謝の気持ちが薄れてしまうということだ。実際に寄付をさげすまされていると思って快く思わない子供もいるようだ。

もうひとつの重要な部分は必要でないものが送られてくるという部分。例えば、小中高生しかいない施設に、大人の服やくつ。それこそ、おじさんの服やおばさんの服などが送られてきたりするもので、必要がないということ。そして、施設の人たちはそれを処分するのに、逆にお金がかかって困るということを言っていた。

しかし、これはリトルビット固い考えではないだろうか?

せっかく、何もないところから感謝の意味[もしくは、廃棄処分ついで]に大量の服を寄付したのかもしれない。しかも、匿名で、送り返せない。ゴミ箱と勘違いしているんじゃないの?という気持ちが施設のスタッフにもあるのかもしれない。しかし、実際はごみではなく、まだまだ使えるもので、価値があるものばかり。もしごみだったら、国に訴えればいいし、そうでないなら、利用方法はいくらでもある。

極端な話、スタッフの人が欲しい服があれば、それはいくら施設にきた寄付であるといっても、捨てるくらいならもらったほうがいいと思う。処分にお金がかかるけど、それは児童施設宛にきたものだから、私的な目的に使ってはいけない。という考えがあったら、それはちょっと固すぎるし、効率が悪いだけで何も生まれない。負の連鎖だ。むしろわたしは、子供達の最後の砦である施設を必死に運営しているスタッフの人たちは、恩恵をうける資格が十分にあると思う。そりゃ、服を自分で売って、お金にしたら、おいおい?となるけれども、お金を払って、善意を捨てるよりましだ。

しかし、大きな問題はそこではなく、子供達へどのような教育をしていくべきなのか?例え、それが施設に必要なものではなくても、他にそれを必要としている人たちはいるのではないだろうか?児童擁護施設という特別な枠組みなら、なおさら、得た寄付や恩恵を、『捨てる。』という行為で水に流すのではなく、カルマとして、良い事を良いものとして返す。そういったニッポンの文化はどこへ行ってしまったのだろうか?



子供達に教えなくていけない事は、モノに頼るという事ではなく、それをどのように運用して生かすということ。
寄付をどのように根付かせていくのか。例えば、オーストラリアではOp Shop(オプショップ)やカナダならSalvation Army(サルベーションアーミー)というものがある。

ここは、寄付でもらったものが破格の額で買える為、多くの低所得者層や学生、お年寄りにとってまさに助け船だし、お金に困っている留学生達にも救世主のような場所なのだ。

例えば、1回で捨ててしまうようなドレスを買う必要はあるだろうか?

1回で捨てるではなく⇒ 寄付する ⇒ 数回しか着ない人が買う ⇒数回着る⇒ 寄付

このサイクルは決して難しくないと思う。強いていえば、新しいものを買わなくなるから、『売れなくなるから、そんな事はしないで』と、ドレス屋さんが文句を言うかもしれない。これが俗にいう、官僚主義というもので、偉い人がコントロールする世界の原点ではないだろうか?独占禁止法が本当に本来の役割を果たすなら、違法だろう。

海外の人達は安いものを、いかに高く見せるか、お洒落に見せるかの技術がすごい。例えば、それは自分の体を鍛えて、どんなドレスも似合うようにするとか、他のものと組み合わせて、お洒落に変えてしまうとか、多様な方法がある。ひとつひとつの、アイデアだと思うけれども、様々な人種がいる国では、人それぞれ似合うものと似合わないものがあるに決まっているし、そして、着こなせる人と着こなせない人がいる。日本だって、1億人以上人がいるのだ。グローバル化が進んでるのだし、十人十色だろう。ホームパーティやコスチュームパーティだって気軽なものだ☆



すでに施設という現場では色々な努力をしていると思うのだが、フリーマーケットやバザーなど、ボランティア活動を子供達に推奨して、不必要な大人の服を自分達の手で売る。そして、そのお金を運用したり、一部を被災者や別の寄付団体に寄付したっていいだろう。仕事が増えて大変だとかもしれないが、学生をしっかりと指導して、近所の学生にも手伝わせれば良い。そうすれば、子供達との交流にも繋がるし、高校生や大学生の先輩達をボランティア学生としてやればいいだろう。最初は何でも大変だが、流れてくれば楽にもなってくる。

それでは、この場合はどうだろう?

『施設の子達だから、いじめの対象になると困るので、目立たせたくない。』 

大学生や高校生がボランティアを手伝えば、小中学生をいじめるとは考えにくいし、施設の子供達は差別にも苦しんでいるだろうが、そもそも、それを作り出したのは誰だろうか?

子供達を支える周りの大人や社会が、恥ずかしい事ではないのだ。と胸を張って言ってあげれば、子供達ももっと気持ちよく外に出れるのではないだろうか?大人や社会が、差別をしなければ、子供達も自然と差別をしなくなるのではないだろうか?施設の子だからとか、その"だから"がすでに差別だと思う。

不必要なものを必要なものへと変える、錬金術とでも言うのだろうか?もちろん、寄付の服や品が卑猥なセクシーランジェリーや青少年に影響を与えるようなものだったら、要検討だが(笑)、わたしとしては、それが新品でごみではない限り、利用する方法はないものか?と考える努力が大事だと思う。

ランジェリーアートだか、ブラジャーアートだか、保守的なひと達にはワケのわからないものに見えるかもしれないが、価値のないものに、価値を造りだすこと。そして、それは大切なモノに命を吹き込む事でもあるだろう。モノに罪はない。それを作った人間と粗末に扱った人間が価値を下げたのだ。セクシーランジェリーの神様がいたら、怒るはずだし、その原料かもしれない石油の神様はもっと怒るはずだ!笑

小さな善意は、大きな団体からの寄付金と比べると大した額ではないだろうが、寄付というものは額の大きさではない。気持ちである。いっぱい払わないと偉くないとか、名前が載らないというのは、寄付ではない。広告・宣伝だ。小さな積み重ねで、日本は大きくなったのだしね。

考えたくないけれど、寄付=税金対策 と思う人もいると思う。でも、いいじゃないか、どうせ税金で取られたって、国の借金で消えてしまうのだから、税金対策の寄付のようがよっぽど健全だ!笑


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